『老いる勇気 これからの人生をどう生きるか』を読みました。
著者の岸見一郎さんは「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」という、ベストセラーの著者です。
『老いる勇気』 では、「老い」と「介護」「人生」について語られていました。
この本は、若さを失うのが怖いと思っている若い人にもぴったりだと思いました。
私は今40歳。
自分の年齢と親の年齢、高齢の祖母のことなどに思いを馳せながら読みました。
20代や30代の頃は「老いる」なんて言われてもピンとこなかったと思います。
自分が40代になり、病気をしたり、親が高齢になってきたりすると、しみじみと共感しつつ読める本です。
あなたは歳をとること、老いることについてどう思っていますか?
私は歳をとっていくのが怖いと思っていました。
世の中だって、老けないようにアンチエイジングに一生懸命!という印象を受けます。
でもどんなに抵抗したって、「生きる=老いていく」ことです。
老いを遅らせることはできても、結局逃れることはできません。
著者のような哲学者は、老いをどのように受け入れているのだろうと興味を持って読みました。
あなたは老いるのが怖い?努力と歳を重ねてきた今だからこそできることがある
俳優の火野正平さんの「にっぽん縦断 こころ旅」のキーフレーズは「人生下り坂最高!」だそうです。
若い頃は夢や目標、野心、焦りなどたくさんのものを背負い、必死でペダルを漕いできたけれど、「これからは、肩の荷を降ろして、軽やかに楽しもう!」
p.14
そう思えたらなんと軽やかな後半生になることでしょうか!
普通に考えたらいつまでも若くいたい、歳をとりたくないって思いますけど、
老いる=自由になって身軽になる!
って考えると、気が楽になるし、老いるのが怖くなくなるな〜って思いました。
「老師」、「老中」などに使われる「老」という字にネガティブな意味はないそうです。
外見ではなく、その人が蓄積してきた知識や経験に注目しているそうです。
50代、60代の方に「18歳の頃の自分に戻りたいですか?」と聞くと、多くの人が一からやり直すなら戻りたくないというそうです。
「努力と歳を重ねてきた今だからこそできることはたくさんある」
p.15
というのを皆さん実感されているのですね。
私自身も若い時にはできなかった考え方ができるようになりました。
体力的には少し落ちていても、その分を別の形で補うことができるようになってきていると感じます。
人間はいくつになっても進化できます。
大事な点は、上ではなく前を目指すというところです。
誰かと比べて「上か、下か」という物差しで測るのではなく、現状を変えるために一歩前に踏み出す。
他者との競争や勝ち負け「より優れた自分でなければならない」をなくす。
他者からの評価を気にせず、昨日の自分、または以前の自分と今日の自分を比較して生きることが大事と著者は説いています。
今の自分にできることを活かし、自分がどんな状態であっても、そこにいるだけで、生きているだけで他者に貢献できる
p.36
自分の価値や生きていることの意味を「生産性」で考えてしまうと、何もできない自分は生きている意味も価値がないのではないかと絶望的になってしまいます。
でも、あなたが今こうして生きているだけでありがたいんです。
いてくれるだけでいいんです。
何もしなくていいんです。
それが「今日を生きる」ということです。
介護、認知症、死別、死への恐怖などについても書いてありました。
私はこのあたりにとても関心があり、じっくりと読みました。
認知症、介護、看取りの章はさらりと書いてありましたが、重いものでした。
人間関係がうまくいかないわけ
定年後の幸せの部分は、若い人にも通じる章だと思いました。
定年後に新たな人間関係をうまく築けない理由の一つは、人の価値を生産性に見ることをやめられないから。
p.134
「何かをできるかできないか」で人の価値を判断してしまうと、人間関係をうまく築けず、なかなか自分の居場所を見つけられないですよ、という話。
確かに!
私自身も、対等な横のつながりを大事にしようと常に意識しています。
私がいいなと思った言葉
「わからないことを素直に認める勇気」
「若い人が自分を超えていくことを喜ぶ」
どちらも変なプライドがあったらできないことです。
対等な関係を心がけて、寄り添う姿勢があれば、年齢や立場を超えて互いにたくさんの気づきが得られます。
若い人たちの力になることは、年長者に課された仕事の一つです。
p.175
こう思うと、歳をとるのも悪くない!と思えますね^^
プラトンは「哲学は五十歳から」と言っているそうです。
哲学するには長く生きて身につけてきた知恵と経験が必要だから、だそう。
私まだまだじゃん。
これからも、たくさんいろんな経験をして、失敗をして、幸せを感じて、生きていこうと思います。
まとめ:今、ここを充実して生きる
ベストセラーの「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」より短くさっぱりとした文体で、エッセイ調で書かれていて読みやすかったです。
内容はどちらとも重なる部分がありますが、そこがアドラー心理学の基礎となる考えで、著者が最も強調したい部分なのだと思います。
同じ言葉でも、例え話が違うだけですっと入ってきました。
著者の岸見一郎さんの闘病、介護など実体験が随所に描かれており、想像しながら読みました。
今、ここにある幸福を若い人たちに手渡す、そんな生き方を私もしたいと思いました。
主婦起業コンサルタント。二児の母。「好きな時に、好きな場所で、好きなことをする!」がモットー。仕事と育児をバランス良く楽しみたい!福岡出身、千葉在住。
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